ALMA(Atacama Large Millimeer/sabmillimeter Array)望遠鏡の最初の科学的成果がリリースされました。 フォーマルハウトを取り囲むリング状の塵の詳細をこれまでに無い精度で明らかにしており、賞賛に値する見事な画像です。 最終的には66台のアンテナを有することとなるALMAですが、今回の観測には15台が使用されています。 わずか15台のアンテナによる観測でしたが、「ハッブル宇宙望遠鏡が与えた衝撃に匹敵するほどの画像を目撃している」と、フォーマルハウトの研究にハッブル望遠鏡を使用した経験のあるPaul Kalas(カリフォルニア大学バークレイ校)は言います。 円盤の縁が鮮明であるのは、フォーマルハウトが二つの小さな惑星を持っており、それらによって巨大なリングの形に整えられたためと考えられています。 66台のアンテナすべてが稼働した際には、ALMAはこれまでで最も強力なミリ波サブミリ波の観測装置になります。
- 'Projects Make Headway on Ground and in Space' Sky and Telescope誌, 2012年7月
この4月にプレスリリースされたALMA望遠鏡による発見です。
今回は15台での観測でしたが、現在も着々と建設が進んでおり、最終的には66台のアンテナ群を要する干渉計方式の望遠鏡となります。 アンテナの内訳は、12m × 50 + 12m × 4 + 7m × 12と口径が異なるため性能が単純に台数に比例するわけではありませんが、ざっと見積もると、光を集める能力(集光力)は約4倍、画像を作成する能力は20倍(!)、細かいものを見る能力(分解能)も数十倍になる予定です。 日米欧の国際協力プロジェクトで、日本は干渉計が苦手とするなだらかに広がった成分をもらさずとらえる能力を付加するACA(Atacama Compact Array)を中心となって開発しています。
ALMAプロジェクトには個人的に知り合いが多く、先日、銀河の画像を見せていただきました。 ACAを結合した観測結果で、渦巻き銀河の構造を細部にまで捉えており、速度構造まで明らかにしていました。
今後、さらに衝撃的な画像が量産されることでしょう。
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